プロのCM制作者に必要なもの

プロのCM制作者に必要なもの

かつてCM制作といえば、専任の業者でなければ撮影や映像編集といった作業そのものができないものであった。

しかし、近年ではパソコンやデジタルビデオカメラのスペック向上、そして動画編集ソフトの普及により、制作作業そのものはやろうと思えば誰でも取り組むことができる時代である。

このような状況においてプロのCM制作者に求められるのは、高級な機材を投入して一般人ではできない複雑な作業に引きこもることでは決してない。

そのような機材に頼った仕事は、パソコンや編集ソフトが進歩すると途端に陳腐化してしまう。

真に求められることは、プロとして映像作りに携わる中で育まれた、映像制作におけるセンスを活かすことである。

経験は一朝一夕で得られるものではなく、機材の技術にも左右されない。

さらに制作したCMの手法を他者に真似られても、センスがあればまた別の個性を持ったCM手法を打ち立てられる。

言いかえれば、現代においては映像を作り続ければプロのCM制作者に近づける可能性があるということになるが、同時に映像作りに自ら励めないならセンスを得ることは無理ということでもある。

たとえCM制作に多くの人が挑めるようになっても、自らプロを目指す一部の人を除けば、やはりCMは確固たるセンスを持った映像のプロに任せるのが良いのである。

CM制作における地方CMの苦難

地方紙や地方局だけで流れる地方CMは、全国区で流すことを前提としたものに比べCM制作に苦労が多い。

まず、予算が少ない。

これは依頼主の規模が全国区と異なり、その地方で活躍してはいるが会社としては中小企業レベルの依頼主もいるためである。

だからといって出来まで予算相応では、全国規模で流れるCMとの差が一目瞭然となってしまう以上、CM制作者は少ない予算を技量で埋めなければならない。

また、特定地方にアピールする以上は個性が必要である。

これもやはり全国規模で流れるCMとの差別化の意味が大きく、全国どこでも対応すべくある程度無難な構成となる全国CMに対し、地方CMでは思い切った内容になることがある。

そして二重の苦労を背負う割に限られた地方でしか見ることができないため、せっかく作ったCMも他の地方ではさっぱり認知されていないことがほとんど。

かように地方CMは茨の道だが、それでも地元を愛する人々の望みを受けて、CM制作のプロ達は日々茨の道に足を踏み込むのである。

CM制作とCM内容のわかりやすさ

CMは何がしかの内容を宣伝する目的で生み出されるが、ただ商品などの情報を晒すだけでは無味乾燥としたものになり、宣伝や告知の効果も期待できない。

そこで、商品の活用シーンやイベントのイメージなどを盛り込んだり、もっと踏み込んでストーリー仕立てにするなど、CM制作において映像や音楽などの内容に工夫をこらすことは珍しい光景ではない。

しかし、工夫も度を超すと問題になることがある。

たとえば宣伝らしさを隠すためにオシャレな映像を作ったはいいが、映像としての完成度を高めるために工夫をこらした結果、何を宣伝・告知したいCMなのか見る側にさっぱりわからないケースがある。

また、ニュース仕立てのCMを作ったら、本物のニュース番組と勘違いされて苦情が起きた事例だってある。

CM制作のプロにおいては、映像表現やストーリーに気を配る前に、まず何を宣伝・告知すべきか、そしてそれがCMを見る側にとって明瞭に理解できるものとなっているか、という点を常に意識することが重要となるのである。